兄弟姉妹間で異父兄弟や異母兄弟がいた場合の兄弟相続では法定相続分に違いがあります。亡くなった兄弟姉妹と両親が同じ兄弟は「全血兄弟」と呼び、片親だけが同じ兄弟を「半血兄弟」と呼びます。
半血兄弟は全血兄弟の半分しか相続分がありません。
この計算方法がちょっと苦手という方が多いのですが、例を交えてご説明します。
兄弟相続の関係図
上記の図では4人兄弟の内、一人が異母兄弟です。亡くなった兄弟姉妹の両親が同じ場合に全血兄弟となりますので今回は異母兄弟であるCが半血兄弟となります。半血兄弟は全血兄弟の半分しか財産をもらうことができませんので、全血兄弟であるAとBが5分の2もらえるのに対して半血兄弟であるCは5分の1となります。
この計算方法が少し難しいと思われる方がいらっしゃると思うので、リンゴを使ってご説明します。
全血兄弟と半血兄弟の相続分の計算方法
亡くなった兄弟が持っている全財産をりんごに例えると分かりやすいです。
亡くなった兄弟の総遺産がりんごを5個だったとします。それを兄弟で相続すると全血兄弟は2個もらえるのに対し、半血兄弟はその半分である1個しかもらえません。全部で5個の内1個なので5分の1となります。全血兄弟は5個の内2個もらえるので5分の2となります。
このようにりんごで考えると楽に法定相続分が計算できますね!
まずは半血兄弟が1個。全血兄弟が2個と考えると兄弟の人数が増えても、分母は総りんご数になるので、簡単に計算できます。
次は実際の遺産額をその割合で計算すれば良いだけです。総遺産額が5,000万円だった場合には全血兄弟は5分の2すなわち2,000万円、半血兄弟は1,000万円が相続分となります。
もちろん法定相続分で分けなければいけないという決まりはありません。法定相続人がみんなで話し合って納得した内容で分けるのが一般的です。
半血兄弟がいるときのよくある相続問題
半血兄弟の相続分は全血兄弟と比較して半分とご説明しました。しかし法定相続割合をしっかり把握している方はそんなに多くありません。このことから、遺産分割協議でトラブルが生じる可能性があります。
また、連絡が取れなかったり、居場所を知らない半血兄弟姉妹がいることも多くあります。この場合連絡を取ること自体が難しく、遺産分割協議そのものをすすめられないといった問題もあります。
連絡が取れないからと言って、無視して遺産分割を進めてしまうと後のトラブルの原因ともなってしまい、関係がより悪化してしまう可能性もあります。
そういったトラブルを避けるためには、遺言書を書いておくことが大切になります。また、遺言書が残されてない場合には早めに専門家に相談し、相続手続きをすすめることがおすすめです。