相続が始まった時点で、一番初めにすることが「遺言書の有無の確認」作業です。

遺言書の有無を確認するにはどうすればよいのか方法をご紹介します。

遺言書って直筆証書遺言とか、公正証書遺言とかいろいろあるみたいだけど、どこを調べたらいいのかしら・・。

おっしゃる通り、遺言書3種類の形式があります。それぞれ探し方が異なるので、1つ1つご説明しますね。まずは探す場所として4つ下にあげますので、そこからスタートしてください。

・公証役場
・法務局
・家の中
・貸金庫

遺言が保管されている場所

公的機関に問い合わせることが一番手っ取り早く確実な方法です。遺言書はそれぞれの遺言書形式によって保管されている公的機関が異なりますが、公証役場と法務局のどちらかで保管されています。

公証役場
公証役場

公証役場

公証役場の「遺言検索システム」を利用すると公正証書遺言と秘密証書遺言があるかどうかの確認を取ることができます。3種類の遺言形式中の2つの有無がここで分かります。

公正証書遺言が残されている場合には必要書類を持参すれば謄本をもらうことができますので内容も確認できます。

秘密証書遺言は遺言が残されているという事実だけがわかりますので、遺言書自体は自分で探す必要があります。

法務局

直筆証書遺言の法務局での保管制度が令和2年7月からはじまっていますので、直筆証書遺言が法務局で保管されている可能性があります。法務局に「遺言保管事実証明書」の請求を行いましょう。

公証役場と法務局に問い合わせても遺言書が見つからない場合、自宅や貸金庫などを探す必要があります。公的機関にない遺言書が一番探すのが大変です。

自宅や貸金庫

公的機関に遺言書がなかった場合には、自宅や銀行の貸金庫など遺言者が保管していそうな場所を探していく必要があります。金庫や仏壇、引き出しなどくまなく探しましょう。また遺言者に信頼できる友人知人がいる場合には、その方が保管している可能性もありますので確認してみましょう。

もし見つけた場合には開封はせずに家庭裁判所へ検認の申し立てをする必要があります。

公証役場の遺言検索システムの使い方

平成元年以降に作成された公正証書遺言は、遺言情報管理システムに保管されています。全国どこの公証役場で作成した遺言書であっても、ご自宅に近い公証役場で遺言検索をすることができます。申し出自体は無料なので、お近くの公証役場に問い合わせてみてください。

公証役場で遺言検索の申し出ができる人と必要な書類

遺言者が亡くなった後、遺言検索の申し出ができる人は相続人、利害関係人に限られています。遺言者が生存している場合には遺言者以外の人が検索の申し出をすることはできません。

相続人は下記の書類を持参します。

・遺言者が死亡したことを証明する書類(除籍謄本など)
・相続人であることが証明できる戸籍謄本
・申出人の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証または実印と発行から3か月以内の印鑑証明書)

直筆証書遺言の遺言書保管事実証明書の交付請求方法

令和2年7月から法務局で直筆証書遺言の保管サービスがはじまりました。

今までは直筆証書遺言は自分で保管する必要があったのですが、相続人が遺言書の存在を知らず発見されなかったり、紛失や改ざんのおそれなど、いろいろな課題がありました。そんな問題点を払しょくするためにこのサービスが開始されました。

遺言書が預けられているか確認するには

遺言書保管事実証明書」交付請求をします。

請求場所は遺言書保管所に指定されている法務局です。全国どこの法務局でも大丈夫です。請求方法は法務局に来局するか、郵送でも請求することができます。法務局に直接行く際には事前の予約が必要となります。予約は電話または専用HPからすることができます。

請求に必要となる書類

請求をする際には下記の書類が必要となります。

・交付請求書
(法務局の窓口に備え付けられています。法務省のホームページからもダウンロード可能です。)
・遺言者の死亡が確認できる除籍謄本
・請求者が遺言者の相続人であることが確認できる戸籍謄本
・請求者の住民票の写し
・顔写真付きの身分証明書(マイナンバーカード、免許証)来局の場合のみ
・切手を張り付けた返信用封筒 郵送請求の場合のみ
・手数料800円の収入印紙

法務局に遺言書が保管されていることが分かったら「遺言書情報証明書の交付の請求」をします。
この遺言書情報証明書は遺言書と同じ法的効力を持ちますので相続手続きにはこの証明書を使っていくことになります。

遺言書の探し方についてご案内しました。当事務所では相続手続き代行のほかにも、直筆証書遺言、公正証書遺言の作成サポートもおこなっておりますので、お気軽にご相談ください。