相続手続きには、様々な書類が必要です。これらの書類は、スムーズな手続きを進めるために欠かせません。一般的に必要となる書類と、その入手方法について解説します。
相続手続きに必要な書類一覧
- 死亡診断書
まず最初に必要な書類は、死亡診断書です。死亡診断書は、通常死亡時に病院で発行されます。亡くなった方の死因を医師が診断し、それを公的な書類に書き記したものです。死亡診断書は年金や健康保険、生命保険、損害保険などの手続き時に必要となります。葬儀の際、火葬の許可を取得するためには役所に原本を提出する必要があります。
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までの連続した戸籍、除籍謄本、原戸籍)
次に、相続手続きに欠かせない書類として、被相続人の戸籍謄本が挙げられます。被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本が必要となります。被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を集めることによって、相続人の確定ができます。
- 被相続人の住民票または戸籍の附票
被相続人の住所確認資料として住民票または戸籍の附票も必要となります。相続手続きを効率的にすすめるため、通常の実務では戸籍謄本を取得する際にあわせて住民票や戸籍の附票を取得します。
- 相続人全員の戸籍謄本・住民票または戸籍の附票
続いて相続人全員の戸籍謄本と住民票または戸籍の附票も取得する必要があります。住民票と戸籍の附票は住所確認書類となりますので、どちらか一方の取得で大丈夫です。
- 印鑑証明書(相続人全員)
相続手続きでは実印が必要となる場面が多くあります。遺産分割協議書などの書類に実印を押し、その証明として印鑑証明書を添付します。実印登録をしていない方もいらっしゃると思いますので、相続手続きが開始した段階で早めに実印登録を行っておいたほうが良いですね。
- 不動産登記全部事項証明書・預貯金通帳・証券会社からの手紙など
さらに、不動産登記簿謄本や預貯金通帳、株券など、相続財産に関する様々な書類が必要です。これらの書類は、相続財産の評価に必要となる書類ですので、ご自宅にないか探してみましょう。
上記の書類は相続手続きに一般的に必要となる基本的な書類をご紹介しました。そのほかにも必要に応じて用意しなければならない書類があります。これらの書類を整理し、手続きに備えることで、相続手続きをスムーズに進めることができます。
下記の相続手続き必要書類完全ガイドでは、もっと詳細に必要となる書類を挙げています。またそれぞれの取得方法も記載しておりますので、よろしければ参考にしてみてください。
被相続人の戸籍謄本の取得方法
戸籍の請求場所
被相続人の戸籍謄本を取得する方法は、市区町村役場の窓口で取得手続きを行います。郵送でも請求が可能です。郵送での手続きを希望される場合には各役場の公式サイトに郵送での請求方法について詳しく案内が載っているので確認してみることをおすすめします。
被相続人の戸籍謄本は、被相続人が亡くなった時点の本籍のある市区町村に依頼します。もし本籍が分からない場合には住民票を先に取得しましょう。住民票の請求時に本籍記載の物を取得すれば、本籍地が分かります。
戸籍を請求できる人
被相続人の戸籍・除籍等を請求できるのは、原則として、配偶者及び直系親族(祖父母・父母・子・孫等)、法定相続人のみとなっています。もしご友人や親せきなど、その他の方に取得してもらう場合には委任状が必要となります。
遺言書がある場合で、遺言執行者が選任されている場合には遺言執行者が戸籍を請求、取得することができます。
相続人が戸籍取得する際に必要となる持ち物
相続人本人が役所の窓口で戸籍謄本類を請求する際には下記の書類を持参しましょう。
- 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード、個人番号カード、パスポート)
- 印鑑(認印)
- 手数料
身分証明書は顔写真付きのものがあれば1つで足りますが、顔写真付きの物がない場合には代用できるものを事前に役所に確認しておいたほうが良いですね。
コンビニエンスストアで相続に必要な戸籍謄本全部とれる?
今はコンビニエンスストアでも戸籍謄本や住民票の取得ができるようになりましたが、コンビニで取得できるのは現在の戸籍謄本及び住民票となっています。
相続手続きに必要な戸籍謄本は現在の戸籍と、それよりもさらに古い戸籍謄本の取得が必要となりますので、コンビニだけで相続手続きに必要となる戸籍謄本類一式をそろえることは残念ながらできません。役所に依頼する必要が出てきます。
戸籍を郵送で請求する方法
戸籍謄本などの書類を郵送で請求する方法は簡単で、郵送請求申請書に必要事項を記入して、手数料用の定額小為替と、請求者の身分証明書のコピー、返信用封筒を一緒に送れば、1-2週間後にご自宅に書類が届きます。
- 郵送請求申請書 市区町村の公式サイトからダウンロード可能です。
- 請求者の身分証明書のコピー(運転免許証、マイナンバーカード、個人番号カード、パスポート等)
- 返信用封筒(返送先の自宅住所を記載した封筒に切手を貼ります)
- 定額小為替 書類を発行する際の手数料分を入れます。取得できる戸籍謄本の枚数が分からないことが多いため、多めに手数料を入れておきます。余った分は返送してくれるので安心ください。
戸籍請求時の手数料の目安
戸籍謄本類を取得する際には手数料がかかります。各書類の発行手数料は下記のとおりです。定額小為替を封入する際には多めに購入して入れるのがおすすめです。
- 戸籍謄本 450円
- 除籍謄本、改正原戸籍 750円
- 住民票及び戸籍の附票300円~350円(市区町村により異なります)
まとめ
相続が開始した段階で必要となる書類の代表的なものとして戸籍謄本類があります。本籍地が生まれてから亡くなるまで一か所だった場合などは取得方法も簡単ですが、複数の土地に本籍を移動している場合などは手間と時間がかかってしまいます。
時間がない方や平日役所に出向くことができない方は専門家に戸籍の収集を依頼することも検討してみてはいかがでしょうか?